昨今のAIブームで、多くの会社がAI開発に着手し、これが新しい社会の為に非常に重要で画期的なイノベーションであると位置づけられています。
この意見については私も大賛成です。
しかし、AIの取扱いに人類は気を付けなければならないことが多くあるとも考えています。そしてそれは、専門家の間でも、例えば『説明責任と透明性』『職業の喪失』『ディープフェイク』『独占による弊害』など多く議論されています。
私が最も懸念しているのは、次のような事です。
人間は、過去の経験や学習した知恵・知識から新しいことを生み出し、それを実行し、課題を分析・修正していくことにより成長するものだと考えています。自身が直接経験していなくても、書物や学校での学習から、先人の経験や、その中から生み出された知恵や知識を学んでいるわけです。学習する時に、その内容を自己の経験として深く想像したり、自己の活動と照らし合わせて学習する事ができる人ほど学習のスピードや質が上がると考えています。
さらに『わかる』と『できる』は違うという事も関係すると考えています。頭でわかったと思っても実際にやってみると様々な課題があり、経験する事によって初めてできるようになると思います。
人間は経験により成長できる存在であると考えており、AIは人間からこれらの経験するという事を奪う可能性があると思います。それが最も人間の成長を妨げるのでは無いかと懸念しているのです。
AIを取り扱うには、その事をよく理解しておく必要があります。これらは法では規制できません。人間のAIとの付き合い方が重要なのです。
例えば、AIを使い、さまざまなセンサー技術で非常に生産性の高い農業をビジネス化し、社会に貢献したとします。最初にそれを考えて導入した人は、勉強して経験してそこに自分の考えやロジックをいれて開発していますが、その後、利用が広まれば、なぜこの方法が良いのかわからずにただ利用するだけの人が増えて、本質的な事を理解していない人が増えてしまうという事が懸念されます。これはAIだけではなく、新しい技術を利用する場合も同じですが、AIはその特性からこれらの点に特に注意すべき技術だと考えます。
人類は自分たちの継続的な幸せと成長を重要視し、正しくAIを取扱う必要があります。
